文・写真:Ryan Coleman
ONE PACTが前回のツアー「Next Horizon」でヨーロッパ進出を視野に入れてから、まだ1年足らず。ついに彼らがUKにやってきた。メンバーはJongwoo、Seongmin、TAG、Yedamの4人(Jay Changはソロ活動のため不在)で、5月18日にIslington Assembly Hallで[OUTSHINE] World Tourのロンドン公演をスタートさせた。
公演に先立ち、グループは前日にOraceon Dance CrewとのコラボでRandom Play Danceのバスキングイベントに参加すると発表していた。これは、ファンダムである&heartに向けたこれからの公演の予告編のようなものだった。4人がHyde Parkに入ると、悲鳴のような歓声が一気に上がり、集まった大勢の観客は彼らが踊るスペースを空けた。UKの&heartsがいかに彼らを待ち望んでいたかは、言うまでもない。
イベントでは、「blind」や「YES, NO, MAYBE」など、前作ONE PACKミニアルバム収録曲のほか、現在のタイトル曲「SANE」も披露。さらにSeongminとYedamが他のダンスのカバーにも参加した。
Random Play Danceが続く中、リーダーJongwooのソロ曲である、激しい電子音とラップが融合した「PASSOUT」が流れ始めた。自分の曲だと気づくのに少し時間がかかったが、その後、彼は群衆の中央へ飛び込み、ファンと一緒に踊った。会場の熱気は最高潮で、最後はJongwooが丁寧な握手でその場を締めくくった。バスキングイベントを本当に特別なものにした、心温まる瞬間だった。こうした場は、もっと多くのグループが参考にしてもよさそうだ。コンサート本番への期待をさらに高める一方で、ファンに普段はなかなか味わえない体験を届けたのだ。約1時間後、ONE PACTはその日の記念として、みんなに自分たちの後ろに集まってグループ写真を撮ろうと呼びかけた。
翌日、メンバーはIslington Assembly Hallのステージへ。夜の最初のメントで、グループの英語担当であるTAGは、セットリストを1曲から次の曲へと途切れなくつなぐ構成にしたと説明したが、その狙いは見事に達成されていた。K-popグループのメントは通常、難度の高い振付と生歌の合間にアイドルが一息つくための時間になるが、ONE PACTは違った。予定された100分のあいだ、休む暇などなかった。次から次へと曲を畳みかけるだけのパワーとエネルギーがあった。
メントのあとには、3rdミニアルバムPINK CRUSH収録のディスコポップ「100!」とハウス色の強い「B2U」という代表曲が続いた。流れのつなぎ方も素晴らしく、そのまま彼らの楽曲群の中でも特に重厚なハウス系ナンバーへと自然に入っていった。「blind」や「YES, NO, MAYBE」から「Pull Up」、「Deserved」へと続く流れは、この夜最大級のハイライトのひとつだった。途中で曲の掛け声ガイドも簡単に教え、これが大成功。会場は大歓声に包まれ、誰の歌声がいちばん大きいのかをグループと競うかのような勢いだった。これは「SANE」でも再び見られた瞬間だった。
TAGは&heartに、ついにロンドンに来られたことが信じられないと語り、ONE PACTはここに一緒にいられることを幸運に思っていると伝えた。そこから、ファンからのメッセージで埋め尽くされたUnion Jack旗を掲げながら「lucky」へと自然につなげた。セットリストを通して高揚感のある楽曲が続く中での、束の間の静かな瞬間だったが、彼らは決して熱気を落とさなかった。
その後、Jongwoo、Seongmin、Yedamの3人が「Vampire」でステージに立ち、煙と赤い照明の中で精密な振付を見せながら、電子的なムードを再び呼び戻した。3人がステージを下りるとTAGがソロで登場し、あのパフォーマンスの準備をしている3人を見ていたとメンバーを称賛。そこへファンが「he's so cute」と声を上げる場面もあった。そしてRadioheadの「Creep」カバーへ。スポットライトと煙の中、グループ随一の作曲担当が感情豊かなバラードを届ける姿に観客は引き込まれ、最後には赤いバラを1輪、客席へ投げ入れた。
もうひとつのハイライトは「DO U FXXKING LOVE ME TOO」。紙吹雪が会場を舞う中でメンバーが歌い上げ、アンコール前の締めくくりとなった。ステージを降りても、短いインターミッションのあいだファンにタイトルを歌い続けさせていた。続いてVCRが流れ、舞台裏にいるSeongminとのFaceTime通話が映し出される。彼は英語はあまり得意ではないけれどファンを愛していると話し、その後メンバーたちはグッズ姿で登場し、「Never Stop」を披露。背後のスクリーンにはライブ映像が流れ続け、各メンバーが順番に自撮り棒でポーズを決めたり、再生される映像を見ながら&heartを撮影したりしていた。
終盤が近づくと、Yedamは「もう少しロンドンにいたいけど、次の街へ行かないと」と観客に伝え、ほかのメンバーたちが彼を煽ると、彼はロンドンと&heart、そしてフィッシュ・アンド・チップスが大好きだと叫んだ。続いてTAGは、Jongwooと一緒にフィッシュ・アンド・チップスを食べに行ったら、同じ店でSeongminとYedamにばったり会ったというエピソードも明かした。
フィナーレでは、Seongminのソロ曲であるアフロビートの「Signal」が流れ始めた。楽しく、肩の力が抜けた自由なパフォーマンスで、Seongminは笑顔もビートも振付もすべてしっかり届けた。途中ではJongwooがダンサーとして入る場面もあった。すでに観客の好意に支えられた、かなり消耗した公演であっても、手を抜くつもりはなかったのだ。とはいえ、あれだけ強烈なセットリストだったからこそ、各メンバーのソロ作品を見せる専用パートがなかったのは少し惜しかった。Jongwooの「PASSOUT」、TAGの「someone else」、Yedamの「Keyring」は、全体の流れを損なうことなく、むしろ公演をさらに高める自然な追加要素になったはずだ。
とはいえ、TAGによるとグループは現在新しいアルバムを制作中で、時間がまだ残っている中、ロンドンの観客には新曲をいち早く聴かせてくれた。その曲にはUK garageの明確な影響があり、サビは「baby, what's your name」というフレーズを軸に構成されていた。ONE PACTが持つダンス路線のディスコグラフィーに、またひとつ鋭い一曲が加わることになりそうだ。さらに別の歌詞「You're the fantasy / Wanna give you the best of me.」は、まさにふさわしい見送りの言葉だった。そしてそれを、ONE PACTは見事にやってのけた。



