Comeback Corner: RIIZE、i-dle、Baekhyun らの新たな方向性と新展開

Comeback Cornerへようこそ。ここでは、今押さえておきたい最新トピックを鋭くお届けします。毎週、Comeback Cornerが本当に“当たり”だったK-popリリースをまとめます。
今週のリリースは、過去を振り返ることと前へ進むことのあいだにある緊張感を行き来する内容だ。RIIZEとi-dleは、どちらもノスタルジーに寄り添いながらも、そのアプローチは驚くほど異なる。RIIZEの「Fly Up」は、遠慮のない高揚感あふれるシアトリカルな魅力を放つ一方、i-dleの「Good Thing」は、2010年代前半のレトロK-popを、キッチュで自信に満ちたひねりとともに落とし込んでいる。どちらも大胆さを前面に出しているが、RIIZEがスケール感と明るさで押し切るのに対し、i-dleは遊び心がありつつも洗練された仕上がりだ。
BaekhyunとKim Jaejoongは、より内省的でムード重視の作品を届ける。Baekhyunの「Elevator」は、なめらかで空気感のあるR&Bへと漂い、メロディの複雑さよりもボーカルの繊細さを重視している。一方、Jaejoongの「Rock Star」は彼のロックの原点に忠実で、構成面ではやや無難さが残るものの、生々しいエネルギーと感情の重みをしっかりと響かせている。
VVSは、激しく挑発的なヒップホップのエッジで一線を画し、飽和した市場の中で独自の存在感を築こうとしている。彼女たちのデビューは、野心と、ジャンルの定石に挑む姿勢を示しており、仕上がりにはややムラがあるものの、その意欲は明確だ。
総じて、今週のラインナップは、K-popが常に抱える“再定義”と“伝統”、ムードとエネルギーのバランスを浮き彫りにしている。それぞれのアーティストが、競争の激しいジャンル横断的なシーンの中で自分たちの立ち位置を示した形だ。
RIIZE - “Fly Up”
RIIZEの1stフルアルバムの展開は、42分のミニムービーという型破りな形で始まり、彼らの音楽を新鮮に体験させてくれる。これまでのファンクやハウス寄りの楽曲から離れた「Fly Up」は、思いきり明るく、『High School Musical』を思わせるようなハッピーなムードをたたえ、似たようなサウンドが並ぶK-popの中で意外なほど爽快に響く。きらきらしたポップの高揚感は、王道のロックンロール・ビートの上で弾け、思わず両手を上げたくなるような高揚感あふれるシンガロング・コーラスへとつながっていく。何度も聴き返したくなる完成度は、RIIZEが記憶に残る“気分が上がる瞬間”を作るのがうまいことの証だ。
i-dle - “Good Thing”
i-dleは「Good Thing」でノスタルジックなムードを前面に押し出している。キッチュなシンセとボコーダーを効かせたコーラスで、2010年代前半の第2世代K-popを思わせる遊び心のある一曲だ。耳に残るフックの強さと、表層の奥にもっと深みを感じさせる激しいプレコーラスのバランスが絶妙。レトロな魅力とi-dleの再出発をうまく融合させた、自信に満ちたカラフルなカムバックであり、原点を大切にしながら新しい方向性も予感させる。
BAEKHYUN - “Elevator”
Baekhyunの新曲「Elevator」は、なめらかなボーカルを、耳なじみのよい滑らかで空気感のあるプロダクションで包み込んだ一曲だ。肩の力が抜けたムードの中、キャッチーで反復的なメロディが心地よく広がり、落ち着いた没入感のある雰囲気を生み出している。控えめながらも、Baekhyunのアドリブがさりげない華やかさを添え、彼の声が今なおK-popの中で際立つ存在であることを思い出させる。「Elevator」は、彼のソロ・ディスコグラフィーに加わるスタイリッシュで楽しめる作品で、彼ならではのサウンドにぴったり収まっている。
KIM JAE JOONG - “Rock Star”
Kim Jaejoongは、「Rock Star」で、なぜ彼がK-popのベテランなのかを改めて示している。ギター主体のアンセムは、彼持ち前のロック魂を見事に体現している。生々しいエネルギーとカタルシスをもたらす強烈な一曲で、Jaejoongの力強いボーカルが曲全体を牽引し、説得力のある感情の重みを与えている。サビはもう少し印象的でもよかったかもしれないが、全体としては率直で情熱的な仕上がりだ。10年以上にわたってロックの原点を貫いてきたアーティストにふさわしい進化と言える。
VVS - “D.I.M.M”
VVSの正式デビュー曲「D.I.M.M」は、それまでのリリースから明確に舵を切り、鮮やかなヒップホップ志向のサウンドへと踏み出した楽曲だ。トラップとエレクトロを融合したプロダクションと、強気なエネルギーが、業界の中で独自の声を見つけながら、激しく自信に満ちた存在感を築こうとする彼女たちの野心を示している。